よい子のやめ方練習帳〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

「生徒を殺したいと思う教員サイト」

とある男子生徒が大嫌いで、

 

今日も本当に腹がたっている。

 

遅刻、サボり、提出物出さないを

 

繰り返し、

 

腹を割って話ができたと思った次の日に

 

同じ失敗をする。

 

ほっておくと、さらにくりかえす。

 

叱ると、

 

「この前叱られなかったから

 

いいと思った」

 

という。

 

信頼して待っているのに、

 

全て嘘をつかれる。

 

 

今日もものすごく腹が立って、

 

彼が私に失礼な態度を取ったとき、

 

必要以上に厳しく注意したり、

 

あえて面倒な指示を出したりした。

 

 

 

 

このままではまずい。

 

このままでは、いけない。

 

そう思うのに、やめられない。

 

 

 

「生徒を殺したい   教員」と調べると、

 

出るわ出るわ、そんなサイト。

 

某有名掲示板にも

 

やはりそんなスレッドが存在していた。

 

 

 

教員が生徒をいかに憎んでいるか

 

いかに本人がクズか、

 

いかに保護者がクズかという

 

憎しみの渦のような書き込みと、

 

「そんな奴教師辞めろ」

 

「そんな奴教師の資格ない」 

 

「教員としてクズ」

 

という反論であふれていた。

 

 

おもしろくて、

 

どんどん読み込む手が止まらない。

 

 

みんな、やっぱりムカついてるんだなあ。

 

 

でも、その中に

 

「本当に殺したいと思ったら、

 

こんなところにあえて書かない。

 

どこか、そう思う自分に

 

後ろめたさがあるんじゃないの?

 

君は立派な教師だと思うよ」

 

 

という書き込みがあった。

 

 

そのときは、

 

「そんな綺麗事聞きたくない」

 

と思ったけど、

 

スレッドを読み込む手が止まった。

 

そのあとは

 

「生徒指導   うまくいかない」

 

と検索していた。

 

 

 

あの男子生徒が死ねばいいと

 

毎日のように思っている。

 

もう関わらないようしよう。

 

 

そう決めたけど、

 

やっぱり、

 

どこかスッキリしない。

 

 

 

 

 

本人に寄り添う教育なんて、

 

やってもやってもやってもやっても

 

ずっと裏切られてきて

 

それでも寄り添わないといけないのか、

 

意味不明だ、

 

 

と思うのに、

 

 

最終的には粘り強く

 

本人に寄り添うしか解決策はない。

 

 

悲しいことに。

 

生徒指導は、

 

「問題解決のスピード力と

 

教員の忍耐力が重要」

 

とサイトに書かれていた。

 

 

 

そうか。

 

 

またここから

 

スタートラインを引かないといけないのか。

 

 

 

今日は、

 

その憎くて大嫌いな生徒の

 

保護者に電話した。

 

 

 

「本人が、これまで以上に頑張っています。

 

あえて私は本人を褒めませんが

 

他の教員に彼を褒めてもらっています。

 

だから、直接は言えないけれど、

 

私はきちんと

 

本人の頑張りを見ています。」

 

 

保護者は別に

 

あんまり興味もなさそうに聞いていた。

 

息子がこんなに叱られて

 

毎回私にものすごい嫌味を言われていることを

 

もしかしたら知らないのか。

 

 

まあいいや。

 

 

 

電話したら、スッキリした。

 

 

どう対応するかはまだ決めてないけど、

 

殺したいという憎しみは

 

ずいぶん薄らいだ。

 

 

その後、

 

優しい先生に

 

その男子生徒の悪口を散々言って、

 

だいぶ気が済んだ。

 

 

やっぱり、ストレス溜まってたんだ。

 

 

 

授業準備で毎日遅くて

 

イライラしていたんだ。

 

 

 

 

 

早く、彼が卒業して、

 

私の前からいなくなりますように。

 

まあ、この世から

 

消えて無くなっても全然かまわないけど、

 

積極的に彼を憎むことなく、

 

私の体力消耗しない解決策が

 

見つかりますように。

 

 

そして、

 

もう少しお願いするなら、

 

彼と会うのがストレスになりすぎないよう

 

付かず離れずの関係になれますように。

 

 

彼をあまり憎まずにいられますように。