よい子のやめ方練習帳〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

和解

憎くて憎くてしょうがなかった生徒と

 

今日和解しました。

 

 

昨日、イライラと不安で大泣きして

 

彼氏を困らせました。

 

月曜日は大嫌いな男子生徒のクラスで

 

授業がある。

 

最近、自分でも

 

彼に対してパワハラに近いような

 

叱責の仕方が続いている。

 

それをやめることができない。

 

苦しい。

 

しかし、叱るのを止めると

 

すぐ遅刻、忘れ物を繰り返す。

 

つらい、彼のことを考えるのがつらい。

 

彼を叱るときや、

 

彼を死ねばいいとまで憎む自分が

 

自分でも信じられなくて、

 

恐ろしくて、

 

毎日、今日は言い過ぎないようにしようと

 

心に決めるのに、

 

それでも顔を合わせて

 

失礼な反省の色のない態度を見ると

 

頭に血が上ってしまう。

 

苦しくて苦しくて

 

彼氏に八つ当たりして

 

ああ、こんなんじゃだめだ

 

こんな先生じゃだめだ 

 

と頭がパニックになりそうだった。

 

彼氏にも怖くて言えなかった。

 

生徒に、

 

感情的に叱り飛ばして

 

感情を自分でもコントロールできない

 

そんな教員になっているなんて、

 

どうしても言えなかった。

 

 

 

そして、夜寝る前に一つだけ決めた。

 

明日、彼が授業に来たら、

 

叱責しない。

 

笑顔でおはようと声をかける。

 

険悪な顔にならないよう、

 

他の生徒と同じ扱いをする。

 

絶対に、

 

感情に左右されない。

 

 

人は人を憎み続けることはできない。

 

憎むことは非常に疲れる。

 

きっと彼も、私と永遠に

 

険悪な空気で話なんてしたくないはずだ。

 

以前は、人生相談や

 

職業相談だってしてきた彼だ。

 

たここから信頼関係を作ろう。

 

 そう思って、

 

散々泣き喚いたあと

 

彼氏になだめられて

 

なんとか眠った。

 

 

 

 

そして、今日。

 

私の授業に、彼の姿が見当たらない。

 

 

今日は、イライラしないようにしようと

 

心に決めてきたはずなのに、

 

「私と顔を合わせたくないから

 

授業まで逃げたか」と

 

怒りとイライラで動悸が止まらない。

 

もしかして

 

私のことをもう見るのもつらくて

 

トラウマになっているのでは、

 

1人の人間をそこまで傷つけたのか、

 

取り返しのつかないことをしたんじゃないか、

 

もう彼とは一生信頼関係を

 

築きなおすことはできないのかと

 

不安や後悔で頭が真っ白になった。

 

 

 

 

震える手で出席簿を見ると、

 

クラスの朝礼には出席している。

 

ということは、登校しているのだ。

 

 

 

 

いろんな先生たちに、

 

彼がどこにもいない、

 

授業にこないと相談して探してもらう。

 

 

 

しばらくたって、

 

連絡があった。

 

「いました。

 

移動教室先で寝てたみたいです。」

 

 

 

彼は始業のチャイムに気がつかなかったのだ。

 

 

 

彼は教室に「すみません。。。」と

 

ゆっくり入ってきた。

 

 

私は、

 

まず、

 

自分の顔を見るのがトラウマになるほど

 

嫌われてはなかったことと、

 

授業を故意にサボられたのではないことに

 

ホッとしてしまった。

 

「何でチャイムに気づかなかったの?」

 

 

 

「昨日、先生の宿題の最後

 

やってなかったことに夜中に気づいて

 

それやってたら

 

昨日も全然寝てなくて。。。」

 

 

 

宿題をやろうとしてたのか。

 

 

 

 

これまでだったら、

 

夜中に気づいてたって

 

宿題なんかやってこなかった。

 

何の悪びれもなく、忘れた、と

 

言うだけだった。

 

 

 

 

夜中に気づいて、

 

寝不足になるまでやったのか。

 

 

 

 

今だ。と思った。

 

彼と、もう一度信頼関係を作り直すのは

 

今だ。

 

 

 

 

「移動教室先で寝たまま気づかないなんて。。。

 

でも、そこまで頑張ったってことだね。」

 

 

そのあと、こう言った。

 

 

 

「君に、言いたいことがある。

 

 

最近私が思っていたこと。

 

 

あなたはね、

 

まあ、遅刻も時々するけど、

 

でもね、前と比べたら

 

ずいぶん頑張っているよ。

 

 

私は感情的になって

 

大人気ない態度を

 

たくさんとってしまった。

 

 

ごめんね。

 

 

もちろん、悪いことしたら

 

これからも叱るんだけど。

 

 

 

今日、あなたが来なくて、

 

もしかして、

 

授業に来るのも嫌なほど、

 

嫌われてるのかと思った。

 

宿題やってて、

 

寝不足で寝てたんだね。

 

ちょっと、ホッとしちゃったよ。

 

 

私、厳しいことたくさん言って

 

しんどかったかもしれないけど

 

君は頑張ってるよ。

 

そう思ってる。

 

まあ、私のこと

 

嫌いだなと思うこともあると思う。

 

 

でも、ちょっとは私のことも

 

嫌いよりは

 

好きになってくれるといいな。」

 

 

 

彼は、最初はうつむいて、

 

そしてだんだんうつむきながらも、

 

表情が柔らかくなっていった。

 

 

 

これでお互い、

 

意地を張らなくてよくなった。

 

 

そのあと、宿題を出してきた。

 

 

 

私と険悪になってからは、

 

私にものを手渡すときに

 

教卓に放り投げていた彼。

 

 

それが、

 

私が受け取るまで

 

きちんと持ったまま、

 

しっかりと手渡してくれた。

 

 

 

 

なんだか、気が抜けて

 

頭痛と肩こりと筋肉痛が

 

一気に消えて無くなったみたいで

 

ふわふわした

 

逆に落ち着かない気持ちになった。

 

 

 

「生徒を殺したい」と検索した日に、

 

最後に「生徒指導 できない」を

 

検索した。

 

どうしても、このままでは

 

いけないと思って、

 

何かヒントがないかと思って

 

 たどり着いたブログに

 

こう書いてあった。

 

「生徒はみんな

 

先生にかまってほしい」

 

「ウザイとか、

 

話しかけるな、とか、

 

いろいろ言われると思う。

 

 

それでも、

 

1人の大人が

 

自分を理解しようと

 

何度も何度もアタックしてくれたら、

 

やっぱり嬉しいものだから。

 

どんな子であったって、

 

生徒は先生にかまってほしいのだ。」

 

 

その言葉は、

 

グラグラした私を

 

かろうじて支えてくれた言葉だった。

 

 

 

嫌われているかもしれない。

 

でも、

 

素直に、

 

人を1人の人として見ようとする

 

その姿勢を続ければ

 

必ず生徒は振り向いてくれる。

 

 

そうやって、なんとか言い聞かせて、

 

そして今日を迎えた。

 

 

 

間に合ったんだ。

 

 

彼との関係はズタズタだったけど、

 

私、間に合ったんだ。

 

私、信頼関係のスタートに

 

また立てたんだ。

 

彼が人間不信になる前に、

 

滑り込むことができたんだ。

 

 

よかった。本当によかった。

 

 

頭がぼーっとする。

 

これでよかったんだ。

 

生徒を憎んで憎んで

 

イジメやパワハラになる前に、

 

なんとか踏ん張って立ち止まったんだ。

 

いや、片足突っ込んでたけど

 

戻って来れたんだ。

 

 

 

私、最後まで頑張ったんだ。

 

 

 

そのあとの授業はグダグダだったけど

 

そんなの全然辛くなかった。

 

 

よかった。