よい子のやめ方〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

病休中や休職中の海外旅行やバイトは許可すべき

今、実家に来ている。

 

親のお見舞いだ。

 

幸い病状も悪くなく、とりあえずは

 

安心していい結果に終わった。

 

 

 

私鉄に乗って、JRにのって、

 

バスにのって、そして実家に帰る。

 

 

職場と離れていくたびに、

 

心が一つずつ軽くなる。

 

くよくよ悩んでいたことが

 

一日ずつ薄れていく。

 

 

 

ああ、これは2年前の冬に

 

適応障害でアパートから実家に帰ったときの

 

気持ちとそっくりだ。

 

 

 

悩みというのは、

 

目の前にあること以外に

 

選択肢はないと思い込むことから始まる。 

 

自分がこの遅刻した生徒対応をしないといけない、

 

自分はこのプリントを作らないといけない、

 

自分はこの日に試合の引率をしないといけない。。。。

 

 

だけど、

 

遅刻した生徒だっていつか卒業するし

 

卒業後に遅刻を繰り返したところで

 

もう私の責任じゃないし

 

むしろ卒業したら、そんな子がいたことも、

 

すぐ忘れるだろうし、

 

授業は最悪自分のプリントじゃなくて

 

問題集のコピー配ってやり過ごすことも

 

できちゃうし、

 

そういう手抜きの自習が三回続いたところで

 

国公立受験する生徒なんていないから

 

なんの問題もないし  

 

人生の中で高校の自習が多かったことで

 

困る人なんて誰もいない。

 

試合の引率だって、

 

私がいけなかったら、誰かがいく。

 

先生にしかなれない、他に仕事がない

 

と思うから辛くなる。

 

 

 

 

職場から物理的に離れることで、

 

あまり仕事のことを考えなくてすむし

 

寝起きする場所が変われば

 

自然と気分転換できる。

 

 

物理的に距離をおくからこそ、

 

心理的な距離を作ることができ、

 

生きる選択肢が広がるし

 

ガチガチの思い込みを

 

一枚ずつ環境が剥がしてくれる。

 

 

 

アパートにいたときは、

 

平日は家に帰ったら

 

ボーッと、テレビ見るくらいしか

 

もうエネルギーが残されていなくて、

 

しかもニュースとか

 

難しいものも見る元気がなくて、

 

もっと勉強したいとか、

 

新しいことしてみたい、とか、

 

少し難しい本を読みたい、という気持ちに

 

なれなかった。

 

せいぜい小説を読むくらいの

 

体力しかなかった。

 

 

 

でも今は、実家に帰ってきて、

 

ドキュメンタリーやニュースが

 

見られるようになったし、

 

新聞の知らないキーワードを 

 

スマホで検索したり、

 

新しいことを知りたいという

 

気持ちがむくむくと湧いてきた。

 

 

 

ほんと、これぞ転地療法だと思う。

 

 

 

病休とか休職中に管理職から、

 

「絶対に旅行はしないように。

 

海外旅行なんかは、もうアウト。

 

アルバイトもしちゃだめ。

 

実家の自営の手伝いもだめ。」

 

と何度も念押しされた。

 

つまり、心をやんだら

 

生かさず殺さず

 

ギリギリ働ける程度の病み具合になったら、

 

まずは本業に復帰しなさい、

 

ということだ。

 

 

 

理屈はわかる。

 

病気をなおすための休みなのに、

 

なぜ遊びにいくのか。

 

他の仕事ができるなら、

 

本業に復帰するのが筋。

 

 

 

 

理屈はわかる。

 

それは、雇う側の論理だ。

 

 

病気になった者は、そうじゃない。

 

雇う側は、使い捨てだから

 

ギリギリ回復ラインで働かせたいけど、

 

当事者にとったら、

 

人生に向き合うターニングポイントになる。

 

「復職のための休息」ではなく、

 

「人生の選択」の時間になるのだ。

 

 

 

まずは苦しみから解放されるまでに

 

睡眠や食事などの身体の休息が必要だ。

 

そのあとは、心の回復。

 

学校というせまい場所で、

 

窮屈な人間関係で、

 

感情労働で疲弊した心を回復するために

 

これまでと違うことをして、

 

違う場所に行って、

 

自分はこの悩みにとらわれなくていいんだって

 

心のリハビリ、回復をするのは

 

体の休息と同じように、

 

ときにはそれ以上に大切なことだと思う。

 

 

 

海外旅行、国内旅行、  

 

させてやればいいのに。

 

アルバイト、させてやればいいのに。

 

 

 

学校という小さな小さな世界から飛び出して、

 

「先生」じゃない自分として、

 

これは楽しいなあ、とか、

 

このご飯は美味しいなあ、とか、

 

自分の素直な感情を取り戻すことは

 

私は、絶対に必要だと思う。

 

そして、それには

 

旅行やアルバイトがとても有効だと思う。

 

 

 

 

たまたま私は実家が遠く離れていたから

 

学校の人間の生活圏からもはなれられて

 

繁華街で同僚や生徒と会う不安からも  

 

免れたし、

 

転地療法のように気分を変えることができて

 

本当に本当に助かったのだ。

 

 

体を休めて、

 

そして心も休めることができたら、

 

今度は意欲を取り戻すリハビリが始まる。

 

 

こんなことしてみたい、とか、

 

自分も、こんなことができる、とか、

 

意欲や自尊心を取り戻すステップに入る。

 

 

 

だから、実家が自営業だったら

 

簡単な仕事なら手伝った方が

 

絶対に心の回復は早くなる。

 

 

 

私も実家で、甥っ子の世話や

 

家族の食事係として自分の役割をもらえて、

 

病気で毎日眠ることへの

 

罪悪感をあまり持たずにすんだ。

 

 

 

先生業務ではない仕事をしてみて、

 

ああ、自分にできることは

 

まだあるんだなと思えることもあるし

 

世の中に貢献できる、という

 

自信をつくることもできるだろう。

 

 

 

メンタルを病んで、

 

またそこから歩き出すには、

 

「最低限の体の休息」だけでは

 

あまりにも足りなさすぎる。

 

「教員」という仕事に

 

再び向き合うには、

 

意欲と自己肯定と安定した気持ちがないと、

 

「また先生やってみたい」っていう

 

ポジティブな思いが回復されないと、

 

絶対に復職なんてできない。

 

 

 

 

だから、

 

病休、休職になった人は

 

旅行だってバイトだってやってみて、

 

新しい経験や、感動や、

 

新しい視点や、気付きをたくさん貯めて

 

それを自分のエネルギーに転換して

 

本当に先生したいって

 

思えるような休み方をすべきだ。