よい子のやめ方〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

精神病院の入院を繰り返したあと、婚活して幸せに暮らしている友達の話

私の高校のときの友人で、

 

2年ほどまえに結婚した女性がいる。

 

彼女はもともと

 

あまり友達をつくるのが得意ではなく、

 

ふだんは静かなのに

 

あるとき突然激しく自己主張をしたり、

 

筋のとおらない軽薄な人の態度に

 

腹をたてて激しく批判したりして

 

まわりを驚かせた。

 

 

 

 

大学にいったあともなかなか友人ができず、

 

1年ほど休学してから大学を辞めた。

 

そのときから、精神的に不安定になっていた。

 

この頃から、私に年に三回くらい

 

近況を連絡するようになっていた。

 

退学したあと、

 

実家で3年ほど過ごして

 

簡単なアルバイトを始めるも、

 

職場の人間関係になじめず

 

職を次々と変えていった。

 

ある職場で、

 

理不尽なふるまいや

 

上司から同僚へのパワハラに我慢できず、

 

その頃から眠れなくなったようだった。

 

心療内科にも行っていたらしい。

 

 

友人に手当たり次第に連絡を取って

 

大学時代の苦しかったことや

 

高校のとき、友人のふるまいで

 

嫌だったことについて

 

「あのときのあなたのこの言葉に傷ついた」

 

「あなたはあのときどうして助けてくれなかったのか」

 

などと、延々と電話で相手を責め、

 

話しまくったりするようになった。

 

 

もと同級生の結婚式があるときには

 

彼女も呼ばれることもあったけれど、

 

みんな彼女を避けるようになった。

 

彼女は少しずつ痩せていった。

 

 

 

あるとき、彼女は職場で

 

大きな独り言を言いながら

 

オフィスの机に備品のボールペンを

 

びっしり並べまくっていたところ、

 

同僚に見つかり

 

救急車を呼ばれてそのまま入院した。

 

統合失調症だったそうだ。

 

 

そのあとも、実家での療養、

 

バイト、入院、退院を繰り返した。

 

あるとき、少し体調がよくなったときに

 

久しぶりに会うことになった。

 

私は、ちょうどその頃

 

適応障害で仕事を休んでいて、

 

彼女とよく連絡をとるようになっていた。

 

 

会ったとき、彼女は

 

「私結婚したいんだよね。」と

 

何度も言っていた。

 

正直なところ、「それは無理だろう」と

 

思った。

 

 

 

ふだん静かなのに突然怒りだしたり、

 

人間関係になじめなかったり、

 

そんなことはまだいいけれど、

 

統合失調症で入院歴があって

 

仕事を転々としていることや、

 

髪はショートヘアーで、

 

いわゆる女性らしい服は着ず、

 

いつもスウェットみたいな服を着て、

 

化粧も一切しないことなんかを考えると、

 

一体どんな男性だったら付き合えるのか

 

私には検討もつかなかった。

 

 

 

自分は、このとき

 

彼女に何と言えばいいか、ずいぶん悩んだ。

 

そうだね、結婚したいよね、と

 

白々しく話を合わせるけれど、

 

内心「どうしてそんな高望みするのか」と

 

あきれていることを

 

悟られないようにするのが精一杯で、

 

冷や汗をかいた。

 

 

 

 

そして、半年がたった頃。

 

彼女が、とうとう結婚した。

 

 

今はやりの婚活で見つけてきたのだ。

 

相当苦労したんじゃないか、

 

どんな男性が彼女を選んだのか、

 

なぜその彼は、

 

気むずかしくて精神的に不安定な

 

アラサーの女性をあえて選んだのか、

 

不思議でいっぱいだった。

 

 

 

大変失礼なことだけれど、

 

もしかして相手の男性が

 

同じように精神的に不安定で

 

共依存みたいなカップルだったら

 

どうしたらいいのだろう、と

 

不安でいっぱいだった。

 

 

 

 

彼女に、旦那さんを紹介してもらったとき、

 

その予想はまったく外れていた。

 

 

 

婚活では、カジュアルなお見合いを

 

4、5回して、彼と出会ったそうだ。

 

旦那さんはサラリーマンで

 

普通、ごくごく普通の人で、

 

精神的にもまったく安定している人だった。

 

 

旦那さんはこう言った。

 

「お見合いに、彼女はジーパンできた。

 

飾り気のない、

 

素直ですてきな人だと思った。

 

僕も早く結婚したかったんだけど、

 

女の人ってなぜか

 

結婚したい男って選ばなくて、

 

僕は2年くらい婚活してたんだよ。

 

でもうまくいかなくて。

 

彼女はいつもわけわかんないこと

 

考えてるけど、

 

優しいし、楽しいし、おもしろい。」

 

 

 

友人「付き合うまえに、私から、

 

精神疾患で入院したことがあるって

 

ちゃんと伝えた。

 

そしたら、彼はそんなの気にしない、って

 

言ってくれた。」

 

旦那さん「だって会って話してて

 

すごくおもしろいし、

 

何か問題が起こったら、そのとき

 

考えたらいいかなあって思って。

 

実際結婚して、彼女の調子悪いときも

 

もちろんあったけど、

 

まあ思ったほどでもなかったし。

 

彼女はね、いつも何か

 

自我とか他人の考え方とか

 

抽象的なことでよく悩むけど、

 

そんな考え方する人初めて会ったから、

 

僕は毎日楽しいよ。」

 

 

 

友人が頭でぐちゃぐちゃ考えているとき、

 

旦那さんに相談すると、

 

彼は全然共感したりしないそうだ。

 

かわりに、

 

「それって、今悩んでもわかんないから、

 

とりあえず今はこうしたら?」

 

と、悩みにたいしてとってもシンプルな

 

回答をしてくれるのだそうだ。

 

 

それが、彼女はすごく新鮮だったらしい。

 

 

旦那さんは、決して彼女に

 

同情したわけでもなく、

 

かわいそうだから付き合ったわけでもなく、

 

彼女が「おもしろくて楽しくて優しい人」

 

だから付き合ったのだという。

 

 

彼女の不安定な心につられることもなく、

 

いい意味で鈍感で、

 

自己肯定感の高い人だった。

 

 

 

こんな人がこの世にいるんだ。

 

彼は何度も何度も、

 

彼女との暮らしは楽しいと言った。

 

 

 

それを聞いて、自分は、

 

偏見によって自分の選択肢を 

 

狭めているなと思った。

 

 

メンへラの女なんか、

 

誰も相手にしてくれない。

 

メンへラで30近い女なんか、

 

誰も相手にしてくれない。

 

いったん心を病んだら、

 

仕事は続かないし、結婚なんてできない。

 

 

そんな思いは、間違いだったんだって

 

思った。

 

 

 

まあ、普通に考えたらそういうケースが 

 

多いのかもしれないけど、

 

世の中には、そうじゃない人もいるんだ。

 

そう想うと、すごく元気が出た。

 

希望が持てた。

 

 

その夫婦のすごいところは、

 

どんな夫婦とも比べないことだった。

 

「僕が彼女と会ったとき、

 

正直なところ、お見合いだから

 

あんまり期待してなかったけど、

 

彼女とすごすうちに、

 

なんて素晴らしい女性なんだ、

 

なんてかわいいんだ、と、

 

僕の期待を軽々と超えていた。

 

本当に幸せ者だと思う。」

 

旦那さんは、さらりとそう言った。

 

あまりにも自然なので、

 

精神疾患のこと、

 

気にしなかったんですか?」

 

なんて、聞く方が不自然だったので

 

聞けなかった。

 

旦那さんは、世間の評判とか

 

見えないものにまどわされず、

 

自分軸でものを考えられる人だったのだ。

 

 

 

私は、楽しそうに話す二人を見て、

 

ああ、いいなあと心から思った。

 

嫉妬ではなくて、

 

こんなことがあるんだなっていう、

 

大きな希望をもらえた気がした。

 

 

世間からどう見えるか。ではなく、

 

この人と生きていて楽しいか。を

 

軸にしていきる二人は、

 

私の憧れの夫婦だ。

 

 

 

その夫婦にあってから、婚活を始めた。

 

結婚しなきゃとか、

 

みじめだからとか、

 

そんな気持ちじゃなくて、

 

私にもきっと待っててくれるひとがいる、

 

と希望をもって、楽しく活動できた。

 

私が婚活するにあたって、

 

ひとつモットーがあった。

 

不特定多数にモテるひつようはないから

 

ピンポイントで、

 

私を好いてくれる人を探すこと。

 

 

 

 

あの夫婦に出会ったおかげで、

 

学んだことはたくさんある。

 

精神的に不安定でも、

 

世間体なんて気にしないし

 

なんとも思わない人がいること。

 

自分軸で考える夫婦は

 

結婚がとても楽しいこと。

 

仕事でうまくいかなくても、

 

落ち込んでも、パートナーが

 

フラットな状態に引き上げてくれること。

 

まわりがどう思うか、じゃなくて、

 

この人と一緒に、生活しよう、と

 

二人の気持ちを中心にすること。

 

 

 

私の友人は何人も結婚したが、

 

そのうち、女性の方が

 

精神的に病んでしまったケースを

 

よく聞くようになった。

 

今年で4組目だ。

 

 

旦那さんたちは、のきなみ

 

「まあそんなこともあるね」と

 

楽観的だ。

 

誰も、病気の奥さんが恥ずかしいなんて、

 

メンへラだから隠したいなんて、

 

みじんも思ってなかった。

 

 

 

世の中には、

 

そういう夫婦がたくさんあるんだ。

 

片方がつらいとき、

 

必ずしも夫婦が共倒れするわけじゃないし

 

パートナーを恥じるわけじゃない。

 

もっと、他人って信用していいんだなって

 

嬉しい気持ちになる。

 

 

願わくば、自分が結婚したら、

 

心が不安定でも

 

まあ、なんとかなるんだよっていう

 

1サンプルになりたいと思う。