よい子のやめ方〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

大切にされる訓練

昔、とても好きだった人がいる。

 

とにかく話がおもしろくて頭の回転が速くて

 

悩み相談にもずっと付き合ってくれて  

 

ちょっと毒のあるジョークもセンスがあって

 

ときどき上から目線で話してくるところも

 

刺激的で大好きだった。

 

 

 

彼はすでに彼女がいて

 

でも私に何度も何度も話しかけてきて

 

お互い惹かれあっていることはすぐにわかった。

 

 

 

一緒にご飯を食べ、

 

読んだ本や学校の話や勉強のこと、

 

政治のこと、料理のこと、

 

生まれ育った環境のこと、

 

ありとあらゆる話をしたけれど、

 

どれだけ話をしても飽きなかった。

 

誰にも言えないような

 

細やかな感情の揺れや、

 

秘密にしていた悩みなども話した。

 

彼女がいると知っていたけど、

 

好きになってしまって

 

体の関係ももつようになった。

 

悪いことしている感覚なんてなかった。

 

 

 

彼はまわりの人たちから

 

あまり評判もよくなく、

 

私の女友達は全員反対した。

 

彼女がいる人、しかも

 

そんな男と付き合ってどうする、と大反対だった。

 

 

当時の私にそんな言葉は

 

全然耳に入ってこなかったし

 

なんなら

 

「私にしかわからない彼の良さがある」

 

とすら思っていた。

 

 

 

 

私はあるとき、

 

「彼女と別れてほしい」

 

といった。

 

彼は渋い顔をして

 

「わかった」

 

と言ってくれた。

 

 

私はすぐに

 

「別れてくれなければ、

 

もう二度と会わない」

 

と伝えた。

 

彼は

 

「君のこと、大好きだから

 

会えないのはすごく辛い。

 

でも、彼女と別れられるかわからない。

 

俺、彼女と別れられるのかな?」

 

と言った。

 

 

略奪できる気満々だった私は

 

やっとここで「何かおかしい」と気づいた。

 

 

 

冷静になって考えれば、

 

ちょっとひっかかるような言動が多い人だった。

 

「俺、あの子(共通の知人)の悩み相談受けてるんだよね。

 

あの子、これまで誰にも言えなかったようなこと、

 

俺になら話せるんだって言ってたよ。」

 

と自慢気にしていたこと。

 

 

 

親身になって相談にのってくれたと思っていたけど、

 

今から思えば

 

「自分の話の巧みさでもって

 

相手の心を開かせることに

 

達成感を覚えるタイプの人」

 

だったのだ。

 

相手を心配しているのではなくて、

 

あくまでも自分のコミュニケーション能力の高さを

 

確認するための行為だった。

 

 

 

そして、

 

「彼女と別れられるのかな?」

 

と私に聞いてきたこと。

 

 

 

彼のことが大好きだった私は

 

「別れるまで待つね」

 

と言うつもりだった。

 

 

でもかすかに残っていた私の自尊心が

 

「私に聞くなよ!!!!!

 

知らねーよ!!!!!!!」

 

と遠くから叫んでいた。

 

この声を無視したら、

 

戻れなかったと思う。

 

 

 

 

「じゃあ、もう会いません」

 

と一言残して、

 

私は正しい世界に帰ってこれた。

 

 

 

 

この件のおかげで、

 

「どんなに話がおもしろかろうが

 

フィーリングが合おうが

 

好きになった相手であろうが

 

自分を大切にしてくれない男はいらない」

 

と学ぶことができた。

 

 

自己肯定感の低い私にしては

 

よく決断できたな、と感心する。

 

 

 

いまでも、彼のことをときどき思い出す。

 

やっぱり彼の話はとてもおもしろかったし、

 

頭のいい人で刺激的で魅力的だった。

 

たぶん、

 

Twitterのアカウントとかで出会っていたら

 

ちょうどいい距離感だったろうな。

 

 

 

恋愛相談で有名なゴマぶっ子さん

 

 「あなたには彼ではなかったし

 

彼にもあなたではなかった」

 

という言葉が、私は大好きだ。

 

 

ダメ男であってももちろん、

 

ダメ男じゃなくて素敵な人であっても、

 

自分とうまくいかない人がいるということ。

 

なんなら、お互い好き同士でも

 

うまくいかないこともあるということ。

 

 

まあ今回のケースは

 

それ以前の問題なんだけど。

 

 

 

そもそも自分を選んでくれない、

 

つまり、自分を大切にしてくれない人は

 

ちゃんと怒っていいんだと学びました。  

 

 

恋愛についてならこれがちゃんとできるんだけど

 

職場とかで応用できないのが

 

まだまだ練習がいるところだな。

 

 

 

自分を大切にしてくれない場所に

 

とどまる必要はないし、

 

自分を大切にしてくれない人は

 

そもそも付き合う必要がない。

 

これは、

 

自己肯定感の低い人には

 

結構ハードルが高い考え方だから、

 

ときどきあの時の怒りを思い出して

 

自分で自分を大切にするイメトレがわりにしている。