よい子のやめ方〜高校教員をやめるまでの道のり〜

よい子の人生を送ってきたけれど、ふとこのままでいいのか悩んだあなたへ。一緒によい子をやめる練習しませんか?

不幸の中にあるもの

大学の友人宅にお泊まり。

 

私と夫は

 

結婚式は親族のみで行ったため、

 

友人たちが私の結婚の

 

お祝いパーティーをしてくれたのだ。

 

いつもはなかなか会えない友人もかけつけてくれて、

 

まるで10年前に戻ったような気がした。

 

 

 

みんなはサプライズで

 

大学時代から今までの

 

思い出のアルバムを作ってくれていた。

 

写真を見返すと、

 

今とは比べ物にならないくらい

 

まぶしい笑顔の自分がいた。

 

そして、休職していた頃、

 

同じメンバーが私を励まそうとして

 

何度も飲み会をしてくれたときの写真もあった。

 

そのときも、私は笑顔でうつっていた。

 

 

 

私は大学のときも自意識をこじらせ、

 

毎日毎日、

 

自分は価値がないのではないか

 

自分は個性がないのではないかと

 

今と同じように悩んでいた。

 

 

 

それにも関わらず

 

写真の自分はとっても楽しそうで

 

まるで悩みなんかないような顔をしていた。

 

 

 

休職直前の写真、

 

一番辛かったときの写真でさえ、

 

私はそれなりに楽しそうな顔をしていた。

 

 

 

写真には、

 

もう忘れかけていたような

 

日々の飲み会や学校生活があふれていて

 

みんなからの寄せ書きには

 

「出会ってからたくさん

 

嬉しいこと、そうでないことを

 

一緒に経験してきた。

 

アルバムを作ってみて、

 

改めていろんな体験を

 

ともにしてきたんだなって思ったよ。」

 

というようなことが書いてあった。

 

 

 

大学時代もそれなりに

 

悩み、苦しみがあったし、

 

休職に至るまでの

 

もう思い出したくないような日々もあった。

 

でも、こうして写真を見ると

 

私はとっても幸せそうだ。

 

 

 

私には、

 

自分の苦しかったことを

 

何度も何度も反芻する癖がある。

 

それでいて、

 

その嫌な現在から逃げるために

 

過去を無駄に美化する癖もある。

 

 

 

 

写真を眺めていると、

 

きゅっと胸が痛くなる。

 

辛くて苦しかった日々の中にも、

 

楽しかったこと、幸せだったこと、

 

友達と過ごした瞬間が

 

ちゃんとあったのだ。

 

 

 

 

友人とは、

 

ケンカもしたし、疎遠になったときもあった。

 

特に私は変に完璧主義だからか、

 

友人と合わないことがあると

 

「もう二度と会わない」と

 

極端な考えをしがちなので

 

いつ愛想をつかされてもおかしくなかった。

 

 

それでも、

 

彼らは人生の節目節目で

 

私との縁をつないでくれて、

 

コミュニケーションをとることを諦めずに

 

人間関係をメンテナンスしてくれたと思う。

 

そして、そういうやり方で

 

人間関係をつなぐことができるのは

 

おそらく大学時代が最後だろう。

 

 

大人になると

 

どうしても人間関係はドライになってしまうから。

 

友達の少ない私にとって、

 

ちょっとやそっとで切れない関係というのは

 

とても貴重なのだ。

 

 

 

 

私の好きな小説で

 

瀬尾まい子の『春、戻る』という本がある。

 

小学校の先生を勤めるも、

 

学級崩壊を引き起こし

 

1年で退職してしまう女性の話だ。

 

彼女から笑顔が消えていくのを見て

 

心配した校長先生が

 

自宅に招いて食事をふるまう。

 

食卓に並んだ暖かい料理を食べて

 

彼女はほんの少し元気を取り戻す。

 

ところが、やはり学級崩壊のショックは大きく

 

彼女は最初の1年で学校を去ってしまう。

  

退職して何年もあとに

 

その食事について思い出すシーンがある。

 

「嫌なことばかりだった。

 

忘れたいことばかりだった。

 

だから、忘れようと努力した。

 

忘れなくては、前に進めなかった。

 

封印したきり取り出さなかったあの1年間。

 

でも、その消し去ろうとした日々の中にも、

 

すてきなことはあったのだ。」

 

 

私はこの箇所が大好きで、

 

というか、

 

感情移入しすぎて

 

「好き」というよりも

 

「自分自身」「私が書いた」

 

としか思えない。

 

 

 

キラキラしていたとしか思えない大学時代にも

 

それなりに悩みはたくさんあったし

 

死にたいと毎日おもっていた日々にも

 

友人との幸せな瞬間があった。

 

 

アルバムには

 

「これからも素敵な思い出を重ねようね」

 

と書かれていた。

 

 

これから、

 

妊娠したり、不妊治療したり、

 

介護したり、病気になったり、

 

転職したり、退職したり、

 

私たちにはいろんなことがあるんだろう。

 

 

 

でも、そんな中にも

 

幸せな瞬間はきっとどこかにあるはず。

 

そういう大切な思い出を

 

1つずつ作れたらなと思った。